外壁は、建物の美観を維持するだけでなく、建物の耐用年数を向上させる役割も担っています。
ガルバリウム外壁は、そんな外壁のひとつです。
本記事では、ガルバリウム外壁のデザインパターンや特徴、メンテナンス方法を紹介します。
最後まで読んでいただくと、ガルバリウム外壁への理解が深まります。
ガルバリウムとは、溶融55%のアルミニウムや亜鉛合金めっきを付けた鋼板や鋼帯に合成樹脂塗料を塗装し焼き付けた外壁材です。
産業標準化法に基づき制定されている「JIS(日本工業規格:Japanese Industrial Standards)」では、「JIS G3321」として規定されています。
ガルバリウム外壁は、ガルバリウムを利用した外壁で、「金属系サイディング」と呼ばれることもあります。
デザイン性が高く、耐用年数も30〜40年前後と比較的長いことから、「窯業系サイディング」や「樹脂系サイディング」、「木質系サイディング」などと共に主要な外壁として国内外問わず採用されています。
ガルバリウム外壁は、使用する素材の色や模様によってデザインの幅が広がります。
ここからは、ガルバリウム外壁の代表的なデザインパターンを6つ紹介します。
スパン柄は、メタリック感を強調したスタイリッシュなデザインです。
ストライプ柄と呼ばれることもあり、顧客のニーズに合わせて縦葺きと横葺きが選択可能です。
カラーバリエーションが豊富ですが、ブラックやダークグレーなどの暗色系を使用すると、高級感のある印象を受けます。
業者によっては色落ちやサビへの保証を付けていることもあるので、長期的に美観を維持したい方におすすめです。
積載柄は、大小さまざまな石材を敷き詰めたようなデザインです。
ガルバリウムらしい金属感は薄くなりますが、石材の大きさや色を変えることでデザインのバリエーションが広がります。
また、石材ならではの自然の温かみや風合いも感じられます。
コストを抑えてレンガの壁を取り入れたい方には、レンガ柄のガルバリウム外壁がおすすめです。
レンガでできた外壁は、メンテナンスフリーで耐久性も高い一方、レンガでできた建物が少ない日本では、レンガを扱える職人が少なく、施工費用も高くなる傾向があります。
ガルバリウム外壁では、金属板の表面にレンガ模様の外壁材を利用するため、レンガ調のデザインを安価に実現できます。
レンガ柄をワンポイントで取り入れたい方にもおすすめです。
木目調は、ログハウスのような木材の雰囲気を感じさせるデザインです。
木材は、自然の温かみや日本らしい趣深さを感じられますが、費用が高く、カビや劣化などにより頻繁にメンテナンスしなければなりません。
ガルバリウム外壁は、金属でできているため、サビにくく、防水性も担保されています。
また、色合いによって顧客のニーズに合わせたデザインを実現できます。
塗り壁調とは、城壁や古民家のような塗り壁を模したデザインです。
和風建築のような趣深いデザインになります。
塗り壁特有の塗り斑を再現することで、ナチュラルな風合いを感じさせることも可能です。
近年は、さまざまな外壁が利用されており、外壁選びで悩む方も多いでしょう。
ここからは、ガルバリウム外壁のメリットを3つ紹介します。
外壁材選びでお悩みの方は、参考にしてみてください。
ガルバリウム外壁は、アルミニウムや亜鉛合金でコーティングされているため、他の金属板よりサビにくい傾向があります。
そのため、長期的に美観の維持が可能です。
なお、必ずサビないというわけではないため、定期的にメンテナンスしましょう。
ガルバリウム外壁は、板の厚みが薄く軽量なため、建物への負担が軽減できます。
重量が下がると、建物の重心が下がるため、揺れにくくなり、耐震性が高まります。
日本は、世界有数の地震多発地帯ですが、ガルバリウム外壁のような耐震性の高い外壁を採用していれば安心して過ごせるでしょう。
金属板は、木材などと比べて防水性が高い傾向にあります。
防水性が高くなると、腐食やひび割れ、凍害などを防げるため、建物の耐用年数が長くなります。
ガルバリウム外壁には、メリットだけでなくデメリットもあります。
ここからは、ガルバリウム外壁のデメリットを3つ紹介します。
ガルバリウム外壁のデメリットを把握したうえで検討し、ニーズに適した外壁材を選びましょう。
ガルバリウム外壁は非常に薄く軽量ですが、ものがぶつかると、へこんだり傷ついたりします。
へこんだり傷ついたりすると、見た目が悪くなるだけでなく、コーティングがはがれてサビやすくなる場合もあります。
ガルバリウム外壁を採用する場合は、取り扱いに注意しましょう。
金属は熱伝導率が高いため、太陽光などの熱を受けると、建物全体が熱くなりやすい傾向にあります。
また、寒い時は室温が下がるだけでなく、結露が発生する可能性があります。
追加工事によって耐熱性を向上させることも可能ですが、その分コストがかさみます。
室内で快適に過ごしたい方は、注意しましょう。
ガルバリウム外壁は、窯業系サイディングなどと比較すると、コストが高くなる傾向にあります。
耐用年数が長いため、メンテナンスにかかる費用は抑えられますが、初期費用を安く済ませたい方は、要注意です。
ここからは、ガルバリウム外壁のメンテナンス方法を5つ紹介します。
外壁を洗浄すると、表面の汚れやサビなどを落とし、腐食や劣化などを抑えられます。
水で洗い流したり、高圧洗浄機などを利用したりして定期的に清掃しましょう。
なお、使用している素材によっては塗膜がはがれたり、傷が付いたりする可能性があります。
洗浄方法については、施工業者に聞いてみてください。
塗装がはがれていると、サビたり、美観を損なう場合があります。
部分的な塗膜の剝がれであれば簡単な修復で済みますが、範囲が広い場合は外壁全体の塗り直しも検討しなければなりません。
建物を建てる場合は、使用する外壁塗料の耐用年数もチェックしましょう。
ガルバリウム外壁がへこんでいたり、傷ついていたりする場合は、補修が必要です。
補修する場所によっては足場が必要になるため、傷やへこみを発見したら速やかに専門業者へ相談しましょう。
微細な傷やへこみであればサイディングメーカーが提供している補修材で簡単に補修できます。
年数が経過し、ガルバリウム外壁が劣化したり、損傷の規模が大きかったりした場合は、外壁の張り替えが必要です。
ガルバリウム外壁の耐用年数は、30〜40年前後とされています。
状態や天候によっては工期が延びやすいため耐用年数を目途に余裕を持って専門業者へ相談しましょう。
コストや工期を抑えて大規模なメンテナンスを検討したい方には、重ね張りがおすすめです。
外壁材によっては重ね張りできない場合もあるので、重ね張りを検討する場合は、専門業者へ相談してください。
なお、重ね張りすると、外壁が重くなり、壁の内部に結露が発生する場合もあるので注意しましょう。
今回は、ガルバリウム外壁のデザインパターンや特徴、メンテナンス方法を紹介しました。
外壁は、建物を長期的に利用するために重要な要素です。
予算だけでなく、特性やデザイン性なども考慮して外壁を選びましょう。
また、定期的にメンテナンスすることで、外壁本来の効果も維持できます。
DIYでもメンテナンスできますが、質の高い仕上がりを求めている方には、専門業者の利用がおすすめです。
実績や工期、利用している材料などの観点で複数の業者を比較・検討しましょう。
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