外壁カビが生えてしまう原因と対処方法

ご自宅の外壁に黒ずんでいるものを見かけたことはありませんか？実は、ほとんどの場合その正体は「カビ」です。
外壁のカビは、放置すると建物の見た目が悪くなるだけでなく建物自体を劣化させてしまいます。

今のお家で安心して生活していくためにも、外壁にカビが生える原因、カビの除去や予防方法を知り、適切な対処方法でお住まいをカビから守りましょう。

外壁にカビが生える原因

カビの発生条件

建物の外壁にカビが生える要因として以下の5つが挙げられます。

詳しく見ていきましょう。

条件１：カビの栄養となる物質がある

当然のことですが外壁は常に外に晒されています。そのため、ホコリやチリといった汚れが付着してしまいますよね。カビはそれらの汚れを栄養としているのです。

主に有機物と呼ばれる動物や植物、その中で作られる脂肪やたんぱく質などもカビの栄養となり、なんとプラスチックや外壁の塗装に使われる塗料もカビにとっては栄養源となってしまうのです。

そのため、予防対策をおこなわなければ自然とカビは生えてきてしまいます。加えて、外壁周辺にお花や樹木などがある場合はその分湿度が上がりやすいため、湿気を好むカビにとってさらに快適な環境となってしまいます。

条件２：酸素がある

これはどうしようもありませんが、カビは酸素があるところでしか育ちません。すなわち、私たち人間も酸素がなければ生きることができないため、どうしてもカビの発生条件と環境が被ってしまうのです。

条件３：温度が適している

一般的にカビの成長を促す最適温度は25℃〜30℃です。これは、私たち人間が暮らしやすい環境とも重なります。

カビは5℃以下での繁殖が難しいため真冬は発生することがあまりありませんが、逆にそれ以外の季節はカビの生育に適していると言えます。

条件４：湿度が高い

皆さんご存知の通り、カビはお風呂場やキッチンなどの水回りに発生しやすいもの。ここから分かる通り、カビは湿度が高い環境で繁殖しやすいのです。

湿度60%以上あれば繁殖に適しており、さらに80%を超えると繁殖スピードが急速に増します。そのため、梅雨や台風の時期は外壁にもカビが発生しやすくなるというわけです。

条件５：長い時間放置されている

カビの繁殖を促す要因として、「外壁を長い間放置している」ということも挙げられます。もし外壁のメンテナンスを定期的におこなっているとすれば、上記4つの発生条件が揃っていたとしてもカビの発生を防ぐことができるのです。

カビはザラザラした素材や表面が細かくでこぼこしている外壁に多く発生する傾向があります。外壁に凹凸が多いと隙間に水が溜まりやすく、カビが繁殖しやすくなってしまうのです。また、建物の方角で一番カビが生えやすいのは北側です。北側は日の当たる時間が最も短いため乾燥しにくく、どうしても湿度が高くなってしまうためカビにうってつけの環境となってしまうのです。

外壁はこのように、常にカビが発生する要因を備えてしまっています。外壁に何も手をつけず長い間放置しているとカビにとっては最適な環境のためどんどん繁殖していき、次第にはお住まいの安全性を脅かすほど大きな存在になってしまうことも。カビの脅威から大切なお住まいを守るためにも、定期的な外壁のメンテナンスは必須です。

外壁が劣化しているサイン

以上の要因も踏まえた上で、もしご自宅の外壁にカビが生えている場合は外壁が劣化している、つまりお住まいの耐久性が下がっておりカビの繁殖を許してしまっているという可能性が非常に高いです。

皆さんの外壁に塗られている塗料は、普段の雨や紫外線、汚れ、温度や湿度の変化といった劣化の原因から家を守る機能が備わっています。

しかし、年数が経ち外壁塗料の耐久性が失われていってしまうと、当然外壁の耐久性も下がり、湿気などが溜まりやすくなってカビが生えやすくなってしまいます。

カビからお家を守る機能がなくなってしまうということは、外壁がもつほかのさまざまな機能も失われている証であり、外壁塗装のタイミングともいえます。

外壁に生えたカビの除去方法

自分で掃除する

ブラシで洗浄する

外壁洗浄用のブラシやカビ専用の洗剤を使い、カビを落としていきます。

ここで注意しなければいけないのが、ご自宅の外壁に合ったものや外壁専用の洗剤を使わなければいけないということと、ブラシでこするときの力加減です。

ご自宅の外壁に合う外壁専用の洗剤を使わなければ、外壁が変色してしまう恐れがあります。また、ブラシで強くこすってしまうと塗膜を傷つけてしまい、かえって外壁の状態を悪化させてしまう恐れがあるのです。せっかく綺麗にするために掃除するのに、外壁を変色させたり傷つけてしまうのは避けたいですよね。

また、外壁の洗浄には高い場所での作業も必要となります。その際はしごを使って掃除をしようとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、不安定な場所での慣れていない作業となると転落事故といった危険につながる恐れもあるため、おすすめいたしません。

高圧洗浄機を使う

高圧洗浄機を使うことで、手でこするより早く確実に綺麗にカビを落とすことができます。しかし、注意しなければならないのがカビの根の深さです。一見綺麗に落とせたように見えても、外壁の奥深くまでカビが根を張ってしまっていると、またすぐに表面に現れてきてしまいます。そのため、高圧洗浄機を使う際も洗剤は必須です。

高圧洗浄機の場合もブラシでこする際と同様、加減に注意が必要です。扱いに慣れていない状態で洗浄する場合、圧力によって逆に外壁を傷付けてしまいかねません。

外壁塗装業者に依頼する

我々プロの外壁塗装業者であれば、外壁を傷つけることなく確実にカビを落とし、根から撃退することができます。

私たちは塗装工事の際必ず高圧洗浄をおこなうため、高圧洗浄機の扱い方は熟知しており、かつカビを確実にやっつけるための知識もこれまでの経験から携えております。

外壁の洗浄といえど、プロと初心者さんでは大きな差があります。私たちはただ外壁の汚れを落とすだけでなく、それぞれの外壁の状態に合った洗浄・施工をいたします。洗浄のみで済む場合もありますが、多くは塗膜の劣化による外壁の保護機能の低下が原因のため、塗り替えが必要です。

このように建物の健康状態を把握し、お住まいに合う最適なメンテナンス方法でより強く、美しい仕上がりにできるのがプロに外壁のメンテナンスを依頼する大きなメリットと言えます。

外壁のカビを防ぐためには

カビに強い塗料を使う

ご自宅の外壁にカビが生えている場合、外壁の塗装が劣化しておりそろそろ塗り替えをおこなうべきサインである可能性が高いです。

外壁塗装の塗料にはさまざまな種類があり、中には防カビ効果のある塗料も販売されています。

湿気が溜まりにくいようにする

上記で説明した通り、カビの発生条件の中でも一番の要因と言えるのが湿気です。湿気が溜まりやすいお風呂場なんかは特にカビが生えやすいため、皆さんも一度は見たことがあるかと思います。

このカビの性質から、以下のように湿気が溜まりにくい外壁にすることがカビを防ぐのに効果的な対策だと言えます。

艶が出る塗料で外壁塗装をする

艶を出すことができる塗料で外壁塗装をすると、艶なし塗料に比べて表面がつるつるになり、水はけがよくなります。そのため、カビの栄養となる汚れが外壁に付着しにくくなるといった効果も期待できます。

金属製の外壁にする

一般的なお家の外壁は、板状の外壁材を貼り付けて作るサイディング外壁や、石灰や砂、水などを混ぜたものを塗って作るモルタル外壁などが多く使われています。

人気のサイディングやモルタルですが、細かな凹凸が多いためカビが発生しやすいというデメリットも。一方で、ガルバリウムといった金属製の外壁は表面がツルツルしているため、比較的カビが発生しにくいのです。

完全にカビを防げるというわけではありませんが、少しでもカビに強くしたい場合は、金属製の外壁に変えてみるのもおすすめです。

定期的にメンテナンスをする

上記でお話しした通り、カビは放置すればするほど、菌の根を広げて繁殖してしまいますが、定期的なメンテナンスをしておくことで、外壁を腐食させたり雨漏りなどといった深刻な事態は事前に防ぐことができます。

お家の外壁は、一般的に10年に一度を目安に塗装工事をする必要があります。この塗装の時期を過ぎてもメンテナンスをせずに放っておくと、カビがどんどん増えていき、簡単には落とすことができなくなってしまいます。

日頃のこまめな洗浄や、防カビ効果のある塗料で10年毎の外壁塗装を行うなど、定期的にメンテナンスをし強くてきれいなお家で快適に過ごしましょう。